毎日毎日今日は寒かった、少し暖かかった、と
天候に気をとられっぱなしのこの季節。
冬をフィンランドで過ごしたことのない私には
氷点下15度20度の寒さは未知の世界で
それはもう 考えただけで寒々しい。
冬という季節自体は好きなのだけれど、寒いのは得意ではない。
スノボも若かりし頃は何度かやってみたけれど
きっともう、よほどの事がない限り
この重い腰があがることはないと確信している。
寒さが怖い、という話をするとタトゥは必ず
寒さをしのぐには正しい服装をすることだ、
そうすれば寒さは恐れるに足りない、と力説する。
そして、さもとっておきの秘密を切り出すかのように
ズボンの下にもう一枚履くんだ、と教えてくれる。
それを受けて私は
すごくすごく申し訳ないけれど
それはもう日本においてとっくに実践しており、
けれどそれでも寒いのでフィンランドでの寒い冬を
越すには心もとない、と丁重に申し上げる。
私は私なりに寒さをしのぐ最大限の努力はしている
つもりであることも忘れず付け加える。
それが奴には納得できない様子で、
ズボンの下にもう一枚履くことにより
いかに寒さの感じ方が変わるか、をさらに説く。
日本のこの瀬戸内の冬ですら奴が寒そうに
していたことを私は見落としてはいないので
そんな奴の言うことは信用できん、と
猜疑心に満ちたまなざしを投げかけ
結局何ら有効なアドバイスを得ることもできずに
話は平行線をたどったままそのあたりで終息する。
そういうならぺらぺらの薄着ではなく
ご自分がまず暖かそうになさいませ、と心から思う。
聞く限り、真冬の北欧でもアウトドアジャケットとニットとTシャツ位。
それで北欧の冬を越すだなんて
本気で阿呆か感覚がおかしいのではないかと思う。
それともそれが寒い国に生まれついた人の耐性なのか。
ならば余計に同レベルでは語れるはずがなかろうに、
どうしてそれがわからないのだろう、とあきれる。
寒いの怖いよーと私が言ったら、シンプルに
そうだねぇ、と同意してくれればいいのに。
いちいち長ったらしい(しかも信憑性の薄い)
講釈を聞くことには少々飽きた。
もちろん寒い冬もマイナス面ばかりではないだろうし
行ったら行ったで何とかするのだろうけれど。
けどやっぱり寒いのも暗いのも、慣れるまでは大変だろうなあ。
セントラルヒーティング完備のあちらの家屋は、
日本の寒い家とは違い中にさえいればとても快適なのだろうけれど。